オディンガ首相

に会いました。UNEP事務局長にも。UNEPとケニア政府主催のMau Forestの復興パートナー会合にて。


単なる一つの森の復興に関する会合にわざわざ首相(と大臣多数)が出席して、半日ずっとそれに費やすあたり、この森に対する彼の意気込みが伝わってこよう。政治生命をかけて、とまで言われるくらいだ。


Mau Forestは森林が国土面積の1割に満たないケニアにおいて、貴重な水源涵養林だ。日本と比較すると驚くべきことだが、国土の大半が乾燥・半乾燥地域に属するケニアの主要な集水域は5つしかない。これらはWater towersと呼ばれ、貴重な農業用水とエネルギー源(ケニアの電力の9割以上は水力発電由来)、飲料水、気候緩和及び住民の生計手段を提供している。


しかしMau Forestは、ナイロビに近い立地と肥沃な土壌が災いして、長らく開発と違法居住、木材やプランテーションのための不適切な伐採活動等の対象となり、全体の15%にあたる広大な面積の森林が失われてきた。狩猟採集民であった先住民族が住んでいることに加え、政治の道具として、その土地が前政権の取り巻きに不平等に分け与えられてきたことも問題を複雑にしている。


こうした政治的に難しい森の復興に首相自らが乗りだしたわけだが、さて、うまくいくかどうか。