ナイロビでの爆弾テロ

日本にどこまでニュースが流れているのか分からないが、昨日の夕方、ナイロビ市内でキリスト教会や政治家が集まった憲法改正反対運動の集会に、手榴弾が投げ込まれ、6人が死亡、80人以上が怪我をするという事件が発生した(人数は今朝時点の情報で今後変更の可能性あり)。


事件があったのはウフルパークと呼ばれる公園で、私の家と職場の中間地点で、ごく近所である。今朝の新聞には血を流しながら手当てを待つ人の痛ましい写真が並び、誰もが2007年末の大統領選挙後の暴動を知っているだけに、緊張が走る。


キリスト教会は、提案されている新憲法が中絶を完全に禁止する内容になっていないことや、離婚等を調停するイスラム教の裁判所の存在を実質的に認める内容であるとして、新憲法に反対している。手榴弾を投げ込んだのは、この動きに反発するイスラム教徒の一派ではないかと囁かれるが、現在のところ事実解明はなされていない。


憲法改正のプロセスはこれまでのところ平和裏に進められてきただけに、今回の事件はケニア人にとっても衝撃が大きい。2007年末の選挙後の混乱が与えた経済的・社会的影響は計り知れず、それまで2桁に届く勢いで急成長していたGDP成長率が激減し、今なおその回復途上にある(まさに失われた数年と言える)。部族同士での対立・殺戮に発展した社会的・精神的影響はより甚大で深刻であろう。今回似たような事態になることだけは避けたいし、それがケニア国民の意思であると信じたい。


8月4日の憲法改正国民投票日前後には友人たちが訪問してくれる予定になっており、彼らが無事に旅行を終えて帰国できることも強く願いつつ。