Crisis at Horn of Africa

アフリカの角」と呼ばれるソマリア、北ケニアエチオピアを中心とする一帯は、いま深刻な危機に見舞われている。去年の小雨期、今年の大雨期と2期連続して雨があまり降らず、干ばつが続いていたが、遂に過去60年で最悪と言われる飢饉に発展してしまった。ソマリアからは食料を求めて大量の難民がケニアエチオピアに流れ込み、難民キャンプは対応能力を超え、既に数万人が亡くなったと言われている。イスラム系過激派組織アルシャバブが実行支配するソマリア南部では、国際支援の手が行き届かず、深刻な危機に陥っていると見られているが、正確な実態すら把握できずにいる。


大規模な緊急支援が国際的に呼びかけられ、G20での主要議題にもなろうというのに、日本での報道の少なさは驚くほどだ。日本人の無関心から来る無知で偏見に満ちた発言を聞くにつれ、日本の将来が逆に心配になる。


アフリカの角は昔からしょっちゅう干ばつが起こる乾燥地域であり、干ばつの予測も出来るにも関わらず、干ばつの対策は洪水の対策よりよほど難しいと言われる。水や灌漑施設のインフラ整備が進まないのはなぜなのか。うちの組織は緊急支援にはあまり役に立たないが、ケニア政府とともに、より根本的な災害防止対策にもっと力を入れるべきだ。