一年(以上)経って

しばし間が空いてしまいました。ツアーアテンドを終え、職場の同僚たちも休暇から戻ってきて、普段の忙しさに戻りつつあります。


思えばこの組織に来てからの一年は、悔しい思いをすることが多かった。前の職場では、複数の部下を持ち、マネージメントの真似ごとを経験させてもらって、責任の重さにプレッシャーを感じつつも充実した日々であった。ところが一転、今度の職場では最末端のぺーぺー。40、50代が幅を利かせ、30代はまだ半人前(とみなされる)という年寄り組織なこともあり、裁量のなさが物足りなかった。


さらに、これまで培ってきた信頼関係や人脈などからかけ離れた世界に身を置いて、組織のオキテも知らない若造が入ってきた、という状態なため、言うことに十分耳を傾けてもらえず悔しい思いをしたり、早く認めてもらおうと焦って摩擦を生み、逆効果になることが多かった。存在の軽さに屈辱感を覚えることもしばしばで、これまでの職場で甘やかされてきたことに改めて気づけたのは大きな収穫だった。


一年経って、ようやく周囲の同僚やクライアントとの信頼関係が築けてきたと、徐々にだが感じることができるようになった。「こいつに任せてもまあ大丈夫か」と思ってもらえるようになったことで、仕事がスムーズになった。巨大官僚組織のオキテはまだまだ理解に苦しむことが多いが、判断に迷うときに誰になにを聞けばいいのかも徐々に分かってきた。一年経ってようやくか、と自分の遅さが嘆かわしいが。


いまは、ちょっと定まらないことがあってなんとなく落ち着かない日々になっている。近く、日本人を対象にした勉強会でお話をすることになった。ケニア生活のけじめになればいいと思う。