日米サービス比較

今日は久しぶりにイラっときた話。


今住んでるアパートの家賃の振込みに苦労している。今の勤務先は給料を直接ケニアの銀行に振り込むことはしてくれないので、アメリカのCitibankに振り込んで、ATMから必要額を引き出している。こちらの銀行口座を開いて小切手受け取りにしてもいいのだが、こちらの銀行は、月額20ドル程度もの口座維持手数料が(何にもしなくても)かかるので、それじゃATMの引き出し手数料(これもアフリカではばか高い)とあまり違いがないということで、とりあえず開かずにいる。


で、家賃の振込みはさすがに多額なので、Citibankから家主の口座へ海外送金をしようと手続したところ、長い手続の最後になって、依頼主(私)のアドレスが私書箱の場合、受付できませんと言う。ケニアには戸別郵便の制度がないので、全ての郵便物は私書箱に取りに行く方式なのだ。ということを電話で説明しても私書箱じゃムリというので、じゃあいいよ、家の住所を登録しますよ(郵便上意味ないけどね)、と言うと、住所の登録は電話口ではできず、依頼書を郵送してください。しかもケニアの場合、アメリカ大使館の認証を受けることが必要です、とな。


住所の変更に大使館の認証ってどんだけめんどくさいことさせるんだとかなりげんなりし、並行して注文していた小切手のほうに戦略を切り替える。小切手が着いたら、それで支払いするからいいや、と思っていた。


ところが、この小切手が、一向に届かない。既に2ヶ月が経過。さすがにおかしいということで問い合わせると、「ケニアは制限国(restricted country)なので、御依頼の住所に郵送できませんでした。ニューヨークのfinancial centerに送りましたので、取りに来てください」とのこと。


これにはさすがに口があんぐり。アンタ、注文した直後には、「御注文ありがとうございます!30営業日以内に郵送しますね〜。」ってハイテンションなメール送ってきたっきり、そんなこと一言も言わなかったじゃないか。送れないならそっちから知らせてくるのが筋でしょが。


ケニアからニューヨークにはるばる小切手取りに行くってどんだけやねん。既に小切手の発行料金20ドルを口座から早々に差し引いてるくせに、それには触れずに「ちなみに海外郵送費は50ドルになりますのでよろしく」としれっと書いてることにもイラっと。あああ、突っ込みどころが多すぎる。


久しぶりにアメリカのサービスの悪さに辟易...と思うところだが、日本の銀行は逆に海外慣れしてなさすぎて、それはそれで非常に不便なのですよ。銀行のサービスって、窓口対応が多すぎて、窓口に行けない人のことへの配慮が薄い。


「その手続はインターネットではできません。必要書類に記入して窓口に提出してください」「あの、窓口には行けないので、郵送で送りたいんですが、必要書類はオンラインで手に入りますか?」「書類は窓口にしかありません」「では、FAXかメールで送ってもらえます?記入して返送します」「FAXやメールでの送付はできません。こちらから郵送します」「じゃあ住所は、ナイロビの...」「え、なんとおっしゃいました!?」といった調子。


顧客から書類を提出する場合に、セキュリティ上郵送で、と言われるのはまだ分かる。でも、所定の様式を顧客に送るのに、FAXで送れない理由はなんなのだろうか。こちらは急いでいるのに、郵送だけで10日を消費する意味はあるのか。


というわけで、銀行ってオンラインバンキングとか偉そうに言ってるけど、肝心なところはちっとも電子化してないなあと。ちなみに、ケニアではインターネットバンキングはなく、もっぱら携帯でのモバイルバンキング。


最初は、ええ、モバイルバンキングって、インターネットバンキングの付属版みたいなもんでわないの、インターネットなしにそれだけって...?と違和感を覚えたのだが、よく考えたら、ケニア国民で家でネットが繋がっている家庭なんてごく一部。一方、携帯は、こんな田舎まで、と思うところでもかなり普及している。貧しくても携帯の通話には金をかけるのだ(プリペイド式で、お金がないと受信専用として活用)。アフリカにおける携帯会社のサクセスストーリーは有名な話。


なので、考えればインターネットバンキングがなくてモバイルバンキングだけっていうのも、当然の結果なのだな。ふむふむ。


あーー、でも手続めんどくさいーーー(現実に戻る)。